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こむらさき矯正歯科

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上顎前突の原因−特に「指しゃぶり」について

指しゃぶり(吸指癖)について

あごの大きさにしても形にしても、歯の大きさにしても、持って生まれたもの(遺伝)であれば、歯並びは親子で似てきます。残念ながら上顎前突も遺伝であれば予防は難しいです。

一方、上顎前突の後天的な(生まれてからの)原因としてよく見かけるものに「指しゃぶり(吸指癖)」があげられます。

指しゃぶりは、お母さんのお腹の中でも胎児が指を吸っていることがエコーの映像でわかっています。乳児は生きるための本能か、なにかを口で吸うという感触を最初に見つけて楽しむそうです。「口唇期」と言います。指しゃぶりもこの一つです。

発育の過程ですから、この時期に指しゃぶりをやめさせるのは良くありません。諸説ありますが口唇期はおおむね2歳頃までと言われています。

3歳児健診の時に、指しゃぶりの影響がすでに歯列に現れている子がいます。下に示した「指しゃぶりの3つの影響(開咬・上顎前突・上あごの狭窄と高口蓋)」、3つともそろっている猛者もいれば、指を吸っていても影響のない子もいます。指しゃぶりの回数と長さが違うのだと思います。

私は、4,5歳頃にやめられたらと思います。ただ指しゃぶりの激しい場合には、かみ合わせや歯列への影響は永久歯列にまで残ります。

指しゃぶりが長引く場合は、「なぜ指を吸うのか?」、本人を取り巻く周囲からのストレスを考えてあげてください。何か原因があるのだと思います。指に苦い薬を塗ったり、きつく言い聞かせて無理矢理やめさせても、本人にとっては原因の解決になりません。

私が経験した指しゃぶりの最高年齢は高3男子です。次は中1男子。

では、小学生はとても多いか?というとそうでもありません。たいてい小学生ぐらいで自然にやめます。自分でストレスを発散するすべを覚えるからだと思います。たとえば周囲を振り回すことでストレスを発散したりとか。

指しゃぶりほどではありませんが、おしゃぶりも開咬の原因となります。なぜ、子供におしゃぶりを与えるのか?一度、考えてみてください。

指しゃぶりの3つの影響

開咬

指しゃぶりを続けていると、上下の前歯の間に指の通る隙間ができ咬み合わなくなります。縦方向にも前後方向にもできます(垂直的開咬と水平的開咬)。写真は垂直的開咬です。

上顎前突

指の力により、上あごの前歯が前方に傾斜します。また、指をくわえる時に下あごを後ろに引きくため、上あごと下あごのかみ合わせがずれて、上顎前突になります。また水平的開咬になります。

上あごの狭窄と高口蓋

指を吸う力により、上あごの歯列が狭くなり(狭窄)、歯列の形がV字型に変形します。このため、上あごの内側(口蓋)のくぼみが深くなります。高口蓋(こうこうがい)といいます。

まれに下あごの偏位の原因となります。

下あごの偏位

上あご歯列の狭窄により、上あごと下あごの歯列の幅が合わなくなると、左右どちらかに下あごを偏位させてかむようになります。左の写真は下あごを右(本人の右側)に偏位させて咬んでいます。

左上に載せた開咬の写真では、上あごと下あごの歯列の幅に差がないことがわかります。これがさらに上あご歯列が狭窄すると、下あごを左右どちらかに偏位させてかまざるを得なくなるのです。