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こむらさき矯正歯科

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反対咬合の原因−特に「鼻づまり」について

反対咬合の原因−特に「鼻づまり」について

不正咬合、中でも骨格性反対咬合(下顎前突)については、オーストリアを支配したハプスブルグ家代々の肖像画の研究から、当時「ハプスブルグのあご(くちびる)」と評され、骨格性反対咬合が多く、下顎前突の家系であることが判明しています。骨格性反対咬合の原因の一つは先天的な遺伝(生まれる前から決まっている、親から引き継いだ資質)です。

歯性あるいは機能性反対咬合でも、親子で、あるいは一世代飛ばして出現する例をよく経験します。

反対咬合(受け口)に限らず、あごの大きさにしても、形にしても、歯の大きさにしても、持って生まれたもの(遺伝)であれば、歯並びは親子で似てきます。残念ながら上顎前突でも下顎前突でも叢生でも不正咬合の予防は難しいです。

つまり通常の不正咬合は、残念ながら生まれながらにして持っている因子です。誰が悪いわけでもありません。

一方、後天的な原因(生まれてからの原因)としてよく見かけるものに、「鼻づまり(鼻閉塞)」と「指しゃぶり(吸指癖)」があげられます。これは、生まれてからでも改善は可能で、歯列への悪影響を抑えることが期待できます。

鼻づまりは、上あごと下あご歯列に悪影響をおよぼし、反対咬合や開咬、顎偏位の原因となります。

指しゃぶりは、上あご歯列の形と上下歯列のかみ合わせに悪影響をおよぼし、上顎前突や開咬、上あご歯列の狭窄の原因となります

また、虫歯などによって、乳歯や永久歯が早い時期にダメになってしまうことも不正咬合の原因の一つです。

 

鼻づまり・扁桃腺肥大にともなう口呼吸と低位舌

アレルギーや扁桃腺の肥大等により、つねに鼻がつまると口で呼吸するようになります(口呼吸)。口呼吸は舌の位置や姿勢に影響を与え、上あごと下あごの歯列の大きさや形に影響を与えます。

鼻がつまっていない方は、鼻で呼吸したときの舌の位置と、鼻をつまんで口で呼吸したときの舌の位置を試してください。舌が上あごの内側に着くのと下あご歯列の内側に着く違いを実感していただけると思います。

舌の位置は通常、安静時は上あごの内側に接触しています(上あごの内側のひだひだ部分に舌が着いている)。この舌の力と、頬の力が調和して、上あご歯列の形と大きさが保たれます。

一方、鼻づまり等により口で呼吸すると、舌は下あごの内側に張り付くようになります。鼻をつまんで呼吸してみてください。口で呼吸するしかありませんが、舌が下あごに着いているはずです。慢性的な鼻づまりは、この状態が常態です。寝不足や睡眠時無呼吸の原因となります。

「鼻づまり」については、歯科では次のことが起こります。

舌が下あご歯列の内側に張り付き、舌の力により下あごの歯列が広がります。逆に舌の支えをなくした上あご歯列は、頬の圧力で小さくなります。

その結果、上あごと下あごの歯列の大きさがあわなくなり前歯部や奥歯の反対咬合、開咬の原因となります。また、上あごが狭くなることで上あご歯列の叢生(乱ぐい歯)の原因となります。

お子さんが、いつも口を開けて呼吸しているようでしたら、耳鼻科を受診してください。寝不足や睡眠時無呼吸の原因にもなり、勉強の妨げにもなります。

 

鼻づまりと低位舌による反対咬合と上歯列弓の狭窄

上の2例は、低位舌にともなう反対咬合です。下あご歯列の間から舌が見えるのがわかります。前歯だけでなく奥歯も反対になっており、歯列全体が反対咬合を呈しています。舌の影響だと思います。皆さん、鼻づまりです。

鼻づまりと低位舌による叢生

上あご歯列が狭くなると、上あごの歯も並びきれません。

鼻づまりと低位舌による開咬

こちらも、舌の影響による開咬です。

鼻づまりによる影響(横顔)

鼻が詰まって、長年口で呼吸していると、特有の口元になります。鼻の下からあごの下までが長くなります。アデノイドフェースと言います。

アデノイドフェースほど見かけませんが、下あごが後ろに下がった場合です。二人とも鼻づまりです。